【瑞巌寺】
瑞巌寺(ずいがんじ)は、宮城県宮城郡松島町にある臨済宗妙心寺派の寺院。詳名は松島青龍山瑞巌円福禅寺
(しょうとうせいりゅうざん ずいがんえんぷくぜんじ)。平安時代の創建で、宗派と寺号は天台宗延福寺、臨済宗
建長寺派円福寺、現在の臨済宗妙心寺派瑞巌寺と変遷した。古くは松島寺とも通称された。
毎年、11月第2日曜日には芭蕉祭が行われる。また、大晦日の火防鎮護祈祷である「火鈴巡行」と一般も撞ける
除夜の鐘が有名である。
江戸時代に入って仙台藩主・伊達政宗が禅僧虎哉宗乙の勧めで円福寺復興を思い立ち、慶長9年(1604年)から
14年(1609年)までの工事で完成させた。今に伝わる桃山様式の本堂などの国宝建築はこの時のものである。
このとき寺の名を改めて松島青龍山瑞巌円福禅寺と称した。一時住持が不在だったが、寛永13年(1636年)に
雲居が入り、伊達氏の保護もあって隆盛をきわめた。松島は江戸時代のみならず中世から寺が多い地であったが、
瑞巌寺は終始その中心的存在で、松島を訪れる旅人は決まって瑞巌寺に参詣した。
明治の初めに寺領が没収され、廃仏の風潮が盛んになると、収入を失った瑞巌寺は窮乏した。
付属の建物が多く荒廃して失われた。明治9年(1876年)に明治天皇東北巡幸の際に下賜金があってから徐々に
財政難を脱した。昭和28年(1953年)に本堂が国宝に指定されたほか、建築物等多くの文化財を有する。
昭和43年(1968年)に大書院が完成し、昭和48年(1974年)には宝物館を開設した。