【弘前城】

今や全国に12箇所しか現存していない、江戸時代以前に建造された天守を有する城郭の一つである。
(現存天守、国の重要文化財)
津軽平野に位置し、城郭は本丸、二の丸、三の丸、四の丸、北の郭、西の郭の六郭から構成された梯郭式平山城
である。
堀、石垣、土塁等城郭の全容がほぼ廃城時の原形をとどめている貴重な城である。
本丸の現存建物はいわゆる「現存12天守」の一つである天守が残るのみである。天守は3層3階で、江戸初期に
消失した5重天守の代用として江戸時代後期に本丸辰巳櫓を御三階櫓として改修したものである。
大きな切妻出窓や、外側の窓を狭間窓にし、小さな建物を大きく見せる視覚効果を狙っている点などほかの天守
には見られない個性を持った天守の現存例でもある。
二の丸の現存櫓は三層の辰巳櫓・丑寅櫓・未申櫓の3棟のみ。門は、三の丸追手門・三の丸東門・二の丸南門・
二の丸東門・北の郭亀甲門の5棟がそれぞれ築城時の姿で現存し、以上は国の重要文化財に指定されている。
この他、二の丸東門与力番所が移築復元されている。
江戸時代には弘前藩津軽氏の居城として、津軽地方の政治経済の中心地となった。現在は弘前公園(鷹揚公園)
として観光名所となり、弘前市により所有・管理されている。天守と桜のコントラストが美しく、日本屈指の桜の
名所として日本さくら名所100選に選ばれている。


2006年(平成18年)4月6日、日本100名城に選定された。